高校球児を救った、たった一言の質問

あるスランプの選手がいたんですね。なかなか打てない。
監督からはいつも、こんな感じです。

「ボールをよく見ろーっ!」
「ちゃんと目ぇ開けてしっかり見ろーっ!」

それでも、バットにボールが当たらないんです、このスランプ君。
そんなある日、監督が出張か何かで数日間不在にする時があってですね、 その間だけ、別のコーチが野球部の面倒を見ることになったそうなんですね。
で、さっそくそのコーチ。スランプ君に目が止まります。
彼は相変わらず空振りばかりで、一向に打てる様子がないんです。
すると、彼を見ていたコーチがこんな質問をしました。

・・・

「なぁ、ボールは、どちら向きに回転してる?」
この質問の直後、彼のバットにボールがかするようになります。
で、コーチは立て続けに次のような質問をします。
「おっ、すごい。当たったじゃん。」
「で、ボールは、バットのどの辺に当たった?」
その質問の何球か後には、かすっていたボールが、 徐々に芯を捉えるようになっていったそうです。

・・・

コーチの発した「たった1つの質問」、つまり「たった1つの具体的な指示」によって、 彼は打てるようになりました
監督から散々言われていた「ボールを見ろ!」。
これも1つの指示ではあります。
もちろん、見ようとしていたとは思いますが、実際には見えていなかったんですね。